世界にキューバ音楽旋風を巻き起こした伝説的名盤『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』により、一般の音楽ファンにも知られるところとなったソン、グアラチャ、ボレロなどのキューバ伝統音楽。デビュー以来、キューバ伝統音楽の新鋭として注目を集めてきたサンティアゲーロは、あのブエナビスタのノスタルジック感溢れるサウンドに、新たなエネルギーを注入し、スピード感のある次世代にも通用するサウンドに進化させ続けている。
バンドリーダーであるフェルナンド・デワールの狙いは、ブエナビスタのノスタルジックな感覚にこだわったり、ハバナのティンババンドの都会的パワーと競うことではなく、伝統的なキューバのスタイルを核となるスイングだけに削り込み、新鮮なボーカルハーモニー、太いベースライン、ドライブ感のあるトレス、ギターのフック、そしてサンティアゴ・デ・クーバの灼熱の暑さを想起させるトランペットの熱いプレイでもって、キューバ伝統音楽に再び活気を与えること。
オリジナルの素材と練り直されたクラシックのブレンドにこのアプローチを適用することにより、セプテート・サンティアゲーロは、トラディショナルな形態でも新風を吹き込むことで、現代の若い世代にとってもまだ依然として強い繋がりを持てることを立証している。
1995年の結成以来、キューバ伝統音楽を活性化するための重要な存在として注目を集め、遊び心のある変化に富んだ音楽動画や、ルーベン・ブラデス、イスマエル・ミランダ、オスカル・デ・レオン、エル・カナリオことホセ・アルベルトなどのサルサ界の大物歌手とのコラボレーションを通じてこのスタンスを強化してきたセプテート・サンティアゲーロ。伝統に重点を置きつつも、キューバ音楽をバラエティ豊かにパノラマで楽しませてくれるのが魅力。
セプテート・サンティアゲーロはラテングラミー賞の数々のノミネートと2度の受賞を誇るキューバ伝統音楽の継承者として重要な位置づけを持つアーティストである。
ラテングラミー賞トラディショナル・トロピカル・アルバム部門受賞
2015 年『No quiero llanto. Tributo a Los Compadres』
2018 年『A mí qué』